晴れ時々くもり
朝が寒く、昼間は汗ばむ 一日の中に四季があるような日。
移りゆく季節の中で、松尾芭蕉翁が探していた、「ずっと変わらないもの」、「不易の価値」。
秋は、それを見つけるには一番いい季節のような気がする。
たぶん、秋のわびしさ、淋しさが、そうさせるのだろう。
枯れていくもの、終わっていくもの、そういった季節の中を歩きながら、
じっと、紅葉しつつある木々を見つめる。
五感の中で、老人の方が子供の頃より感覚が鋭くなるのが、唯一視覚だそうだ。
視覚も経験を積んで、眼前の美しさの「深さ」を知れようになるらしい。
だから、俳句も短歌も、きっと老人の方がその深さをより高く詠えるということだ。
歳を重ねるのは辛いことも多いが、そういう美点もあるというのは救いになる。いったい100歳になったら、どんな景色が見え、どんな「うた」を詠えるようになるのだろう。そして、どんな「誠」を感じ取ることができるのだろう。
単純に楽しみだ。
秋晴れに じっと心を 省みる
木の葉散る 我が心は 葉か幹か