11月26日(日記)サボってなんぼ
曇
周りに、泳いでないと死んでしまうマグロのように、一日中ちゃかちゃか動いて、何かしていないと落ち着かない人がいる。そして、いきなり電池切れのように疲れ果ててパタッと倒れる。
そして、ベットの中で天上を見上げながら、「私どうして、こんなに疲れてるんだろう?」という決め台詞を言う。
端から見ていると、突っ込みどころ満載なのだが、本人は自分の疲れを上手く把握できないらしい。さらには、身体の不調の声もよく聞き取れない。風邪もはっきりした症状が出ない限り、風邪と認識できない。
「風邪の引き始めって何?」っていう状態だ。
元来、身体が健康な人なのだろう。そして、真面目なのだ。サボるという言葉が彼らの辞書にはない。そして、学生時代に、だいたい皆勤賞をもらってきている。
もちろん、働き者なのは結構なのだが、時々「危うさ」を感じる。サボるというのは、フランス語のサボタージュから来ているらしいが、当然、悪徳扱いだ。ばれたら会社だったら首になるし、学校だったら単位を落とす。
サッカーのワールドカップを見ていて、ずっと動き続ける選手もいるが、普段はサボっているように見えて、ここぞという時動いて、点を取る選手がいる。アリの世界もそうらしい。サボってるアリが一定数居て、いざというときに動く。
漫画や、アニメでも、そういうキャラが案外、人気がある。ぱっと思い出すと、「こちら葛飾区亀有前派出所」の両さんか。
そして、サッカーで言えば、働き者選手は疲れ果てたところで、さっさと控えと交代される。さっき言った「危うさ」というのは、サッカーの世界ならいいけれど、会社という組織の中ならば別の意味を持ってしまうことだ。
実は、「サボる」というのは高等技術だ。会社でも誰も教えてくれない。見よう見まねで習得するしかない。しかも失敗は許されない。よっぽど馬鹿正直に、真面目さを売りにする方が簡単だ。
過労死という言葉を産んだこの国、ひたすら個人の効率性や向上性ばかり目を向けるのではなく、「うまくサボる」という面をもっと取り上げてもいい。もう、効率性の情報はもうおなかいっぱいだと思うので。
そういったビジネス書があっていいと思う(あるかもしれないけど)。それが、かえって強い組織を作るかもしれない。ふと、サッカーのラテン系のチームを見ていて思うのでした。
あなたは、どちら?と聞かれれば、もちろん「サボる」方です。それも、ここぞと言うときに動けない。
「使えんじゃん」。その通り。
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