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11月5日(日記)オンとオフのない暮らし

晴れ
日が短い 当たり前だけど夜が早い。

だらだらと一日を過ごしてしまう。さびしい秋の夕暮れを一人見ていると、夢中になれる趣味があればいいなと思ってしまう。
しかし、そんな気分の時は、津島美智子(太宰治の妻)の『回想の太宰治』を読み返す。
特に、「書斎」という題名の一章が好きなのだが、
その中の、

太宰はほんとに無趣味な人であった。趣味は遊びだ、逃避だと考えていたようだ。身のまわりに、あってもなくてもよいものをおくことがきらいで、必需品だけを、それも趣味よりも、機能で選んだ品だけを置いて簡素にくらしたいらしかった。・・(中略)他のことに一切煩わされず、生活を自分の仕事一筋に絞って生きることを考えていた。

講談社文芸文庫
これを最初に読んだ若い頃、「オフに夢中になれる趣味は絶対に必要だよ。仕事にも良くない」と思っていたが、最近は、やはり真剣に一秒、一秒を生きようとすると、人間、結局はこうなるよなと思うようになってきた。

何かのインタビュー記事で、「ONE PIECE」の作者、尾田栄一郎さんも、
「ストレス解消法は、いい漫画を書くことです」。さらに、絵本作家の西野亮廣さんも、オンとオフがない生活、言ってみればずっとオンの状態とおっしゃっていた。

人生を充実させるには、気晴らしや趣味が必要ないということだ。それは、仕事の中にしかない。といったことも村上龍さんも、「無趣味のすすめ」(幻冬舎文庫)の中でも書かれていた(違っていたらすみません)。

ただし、仕事=趣味だと思い込んだり、ゼロワンで考えると苦しくなるので、自分としては、「チェスが趣味」とおっしゃっていた羽生善治さん戦法で行こうかな。

夕暮れに 秋の灯つけず ほろほろと

仲村比呂
小説家
主に小さい子から読める物語を作っています。文学は最強です。

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