晴れ
来年3月の末で、星の王子さまミュージアムが閉館するという。
悲しい。児童文学の輝きがまた一つ・・・消える。
「星の王子さま」は、今の中学生以下の子にとって、ほとんど知らないし、読んでもピンとこないらしい。
最初、その話を聞いたとき「えっ?」と思ったが、よくよく聞くと、「寓話」、「比喩」というのが、心に響かない。簡単に言ってしまえば、まどろっこしいらしいのだ。
恐らく、SNSが全盛の時代、短く、直接的な表現が尊ばれるのだろう。かつて、詩の世界で象徴詩が衰退していったように、児童文学の世界にもその波が押し寄せよてきている。
そして、それは日本だけでなく、ヨーロッパもそうらしく。あの北欧の巨星、「ムーミンシリーズ」も原典の売り上げがかなり落ちていると聞く(データは未検証)。
寓話こそが、児童文学の肝だというのに・・・。
直接的な表現の話に戻るが、それは、星の王子さまミュージアムが閉館し、同じくファンタジーの世界を現実化した、USJや、ディズニーランドが盛況なのも同じだ。
そこでは刺激的なアトラクションや、体感的な経験がこれでもかという具合に提供されているからだ。ただの展示だけのミュージアムや美術館だと、さすがに今の子供には退屈かもしれない。
かといって、星の王子さまミュージアムにフライングダイナソーがあるのも嫌だけれど。
自分としては、文字の世界も大好きだけれど(その昔、贈り物として豪華装丁本を送っていた)、いくら子供だましと言われようとも、アンパンマンミュージアムのように、現実の中でその世界観、ワクワク感を体現しようという試みも好きだ。
そこから、またいつか文字(絵)の世界に戻ってきてくれると信じているので。
ところで、11月1日から開園する、地元期待のジブリパーク・・・本当にだっ、大丈夫なのか・・・。
さはやかに そっと浮かぶ 昼の月