とある事情から、Netflixが急に嫌になって、U-NEXTにサブスクチャンネルの契約を変えた。
しばらくして、追加の金額を払えば、NHKオンデマンドも視聴できることが判明。
これはいいぞと思って、色々番組を探すと、過去の大河ドラマを発見。
大河ドラマというと、自分が育った家でのテレビ事情を思い出す。
とにかく我が家はテレビに厳しくて、夜の七時から八時だけしか見させてくれなかった(本当のことを言えば、共働きだったので学校から帰ってきてから、両親が帰ってくるまで見放題だったんだけど)。
この縛りについては、クラスメイトとの話題等、今でも恨んでも恨み切れない禍根が残ったが、それについては別途書くとして、ただ例外として、日曜だけ、八時の大河ドラマは見ることが許されていた。
恐らく歴史の勉強にでもなると思ったからだろう。勉強しながら大河を見ていた(というより無理矢理見させられていた)。
そして、見終わるとその一話分の感想を求められた。それがとても嫌な習慣で、変なことを言うと怒られた。だから、真剣に見ざるを得なかった。
当然ながら、大河ドラマはNHKが制作しているだけあって、お金がかかってもいたし、見応えがあったので、その習慣以外は一週間の中の楽しみの一つだった。
その後、成人して就職しても、しばらくは大河ドラマだけはリアルタイムで見ていた。それを見ないと日曜日が終わった気がしなかった。だから何となく録画や、再放送で見るのが気が引けた。習慣とはまったく恐ろしい。
そして、大河を見ている人はわかるが、本編が終わると、五分ぐらいで今回の放送回に関する、人物や土地の小さな紹介番組があって、それが終わると自動的に、一人勝手に本編の感想を言っていた。
本当に、本当に習慣とは恐ろしい。
しかし、ある年から大河を見ることがなくなった。おそらく現代劇とかの二部制になった頃からだと思う。やっぱり大河は、一年にわたってじっくりやって欲しいと今でも思う。
そういうわけで、再びU-NEXTで懐かしい大河のタイトルを見る内に、最近話題になったものから見始めた。
そして、見始めて思った。「あっ、面白い」と。
そのまま「鎌倉殿の13人」、「麒麟がくる」、そして、現在は「真田丸」を怒濤のごとく見始めた。どれも、これも当時放映時に話題になっただけあって、どれも粒ぞろいで裏切られなかった。
つまり、当たり前だがそれだけ出来が良かったということである。そして、勉強のためとか、習慣から見ることが自由になると、いい作品というのは、必ず中毒性があるということがわかった。見た途端に次が見たくなる。
一時の海外ドラマのように。
出来の悪いドラマはそれがない。たまに民放で月9のドラマとかを、まとめて見ることもあるが、どうにも作りにアラが見えて、途中で見るのを辞めてしまう。
あれは、一週間空けて仕事終わりに気軽に見るもののような気がする。
この「中毒性」、大河ドラマに限らず、小説も、漫画も、長編になればなるほど、必要となのものかもしれない。
次のページをめくる作業すら億劫になる。そんな小説を書いてみたいものだ。
そして、U-NEXTには、まだまだ見ていない大河が大量にあるので、当分困ることはない。そして、見終わったら、あの無理矢理見させられて感想を言わされた当時の大河を、改めてじっくり見てみようと思う。
そのとき、自分はいったいどんな感想を言うのだろう、当時の感想と比べたいものだ・・・。
ではまた
“ いつもより 大きく息吸う 春の風 ”