言葉とさよならしたのはいつだろう
かけがえがなかった自分の言葉
発した言葉がすべてが自分自身だった
捨てられて
さらされた言葉の終わりに
ずっと断末魔の悲鳴を聞いていた
今日桜の花が散る
花びらが舞って舞う
失われた言葉のように
散るよりも散らせたかのように
言葉ははらはらと舞って
誰かの心の池に舞い落ちた
言葉が別れをつげてきたのはいつだろう
それはいつでも他人の言葉
言葉のすべては他人のものだった
笑われて無視された
ありふれた言葉の始まりに
言葉自身のため息を聞いていた
桜の花が散る
散って散って生まれ出る
失われた言葉のように
やがて言葉は強き葉となって
萌えて重なり新たな生命を帯び
他人の意識に浮かびつつ
遠い遠くなった
本当の言葉
再びそんな言葉を聞きたくて
今日も言葉の大海に漕ぎ出でる
舞い散る桜の花びらを見つめながら