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「趣味は仕事」と言えちゃう人

昔、「仕事が趣味」、「俺たちはプロ」と、仕事の心構えについて、声高にのたまう先輩が、会社の中には多くいた。仕事の愚痴をぶちぶち言っていると、「お金もらってるんでしょ」と説教された。

言っている内容はごもっともである。それに言い返す言葉はない。まったくそのとおりである。
しかし、力説するその顔は力み返って赤らみ、どう見ても無理して言っているようにしか見えない。その様子からは、とても仕事が「趣味」に思えなかった。

勤労観というのは、人それぞれである。同じ仕事でも、「くそつまんねえ」と思う人もいれば、「定時で帰れるから楽でいいや」と割り切っている人もいる。そして当然ながら「楽しい」と思える人もいる。

組織からすれば、個人個人がどう思っていようと関係なく、結果を出す者を評価する。その仕事に対する心構えは、誰かとまったく同じ結果となったとき初めて持ち出される尺度というのもわかる。

しかし、こうして仕事に不満を持ちながらも、己を日々叱咤激励して結果を出した人というのは、得てしてパワハラ気質になりがちである。それは、自分に無理してるから、つい他人にも求めてしまうからである。

労働者というのは、己の労働力を提供して賃金を得る者に過ぎない。そこに誰も反論できないような「心構え」を持ち出すから変なことになる。
「仕事を恋人のように愛せ」、「だって仕事でしょ」、「やる気を見せろよ」。
もう、うんざりである。おなかいっぱい。
そして聞いているこちらとしては、まったく聞いておらず、
「そのまま過労死するまでずっと言っていろ」と心の中で叫んでいた。
あるときから、そういうことをしれっと言えちゃう人に対しては、心を許さないようになった。

仕事についての根性論は、パワハラの萌芽でしかない。何でも悪い萌芽というのは早く摘むに限る。
自分としては、労働に見合う対価をもらえれば良いんで。

過去の辛い経験より・・・。

ではまた

仲村比呂
小説家
主に小さい子から読める物語を作っています。文学は最強です。

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