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葉っぱを千切りながら(詩)

小さい頃の道すがら
生け垣の葉っぱを千切りながら
歩いていた

そのとききっと自分の心も
千切っていたのだろう

千切っても千切っても
消えないつらさ
辛いと思ってしまう自分の辛さ
代わりに死んでいった葉っぱの山

生け垣の葉っぱは
眼前に立ちはだかる社会の
代わりだった

このとき他人の心も
千切っていただろう

千切っても千切っても
消えない怒り
怒ってしまう自分のやるせなさ
代わりに死んでいった葉っぱの山

そんな葉っぱの山に
いつしか自分も千切られて
そっと埋もれていくのだろう

仲村比呂
小説家
主に小さい子から読める物語を作っています。文学は最強です。

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