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地図(詩)

時間があると地図を眺める

旅で行きたい町
いつか住みたい町
絶対に行けない町

そして指先でそっと撫でてみる
まるでそこに
未来が埋まっているかのように

こうして町は架空の実体を手にする

何かあると地図を開く

聞いたことある町
ニュースで知った町
本で読んだ町

そして町の名を○で囲んでみる
まるでそこで
生きたかのように

すると町は過ぎた時間をとりもどす

まだ知られていないことが
隠されている
もっと知って欲しいことが
うまっている

地図はそっと教えてくれる

仲村比呂
小説家
主に小さい子から読める物語を作っています。文学は最強です。

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