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時の果て(詩)

時の果てを見極めようと
小さな船が漕ぎ出でる

きっと見えてくるのは
新しき予言か止まった過去
時を作った彼らも
いっしょに小さな船で漕ぎ進む

蜘蛛の巣のように
無限に広がりゆく宇宙の果ての

その向こうに時を止めた
小さな星があって
そこにはりんごを食べなかった
二人の姿があるやもしれない

歴史という一つの思い出も
淫らと呼ばれる妄想もなく

そこでは刹那の思いが一瞬のうちに
きらめくのみ
時は接するすべてを
予言と記憶に変えながら

今という光の海は
矛盾の中に消えていく

新たな予言を受け入れ
神を創り造られる
こうして一つの歴史が誰かの頭に
刻まれる

見知らぬ時の
果ての果てとして

仲村比呂
小説家
主に小さい子から読める物語を作っています。文学は最強です。

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