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中途半端に褒められた悪影響

かなり昔に、短歌を作っていた頃がありました。
まだブログなどない頃の、ホームページ黎明期。

画像の上につたない短歌を重ねて、貼り付けただけのものでした。
ホームページの題名は、「花鳥風月」・・・寒い。

まだ、PVという言葉もなくて、カウンターという閲覧数をカウントしていくシステムがありました。

短歌を作り、それを、週一アップすることを半年ぐらい続けました。その間のトータルカウント数は、なんと「100」にも達せず。

がっかりどころか、すっかりやる気をなくして、そのままフェイドアウト。さらに一年ぐらい過ぎて、ホームページを開設したことすら忘れた頃、見知らぬ人から、一通のメールが来ました。

読むと、ホームページ載せていた短歌の一つにとても感動したというものです。急ぎホームページにて、その短歌を確認。すると、真冬の寒さに震える雀の姿を歌ったものでした。

その短歌は自分で言うのもなんですが、まったく面白くもなく、出来栄えも良くない、いたって平凡な短歌です。

しかし、自作の作品など、人から褒められたことが一度もなかった私は、うれしくて舞い上がり、すぐにその方にお礼のメールの返事をしました。そして、ホームページを再開。

しかし、その方からのメールの返事は来ず、ホームページのカウント数もまったく伸びないまま。
「あれは何だったんだろう?からわれただけか」と。しだいに思うようになりました。

やがて、その失望感からか、短歌を作ることをすっかり辞めてしまいました。もし、その方からのやりとりが続き、ホームページのカウント数も伸びていたら、今でも細々と短歌を作っているような気がします。

果たして、自分に短歌の才能があったのか、ないのか。本当に短歌は好きなのか嫌いなのか。結局、わからずじまい。この経験で思ったのは、中途半端に誉められることは、悪影響を及ぼす。ということでしょうか。

ではまた

仲村比呂
小説家
主に小さい子から読める物語を作っています。文学は最強です。

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