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11月30日(日記)無人島に一冊だけ持っていく本は


風の中に冬を感じる。

無人島に一冊持って行けるなら、何を持って行く?という話題がよく出るがが、自分は「俳句の歳時記(季語辞典)」だと思う。

気に入った小説や広辞苑などの辞書もいいけれど、きっと読んでいるうちに、飽きてしまいそう。
その点、歳時記は、読み物としても面白いし、お題のソースとしても役に立つ。一粒で二度美味しいという本はなかなかない。

無人島というと、昔、トムハンクス主演の、「キャスト・アウェイ」という映画を思い出す。
その中で、無人島に一人残されたロビンソン・クルーソー状態の主人公が、流れてきたボールに顔を描き、架空の友達にして孤独を紛らわすというシーンがある。

きっと、自分だったら、ボールは友達(キャプテン翼くんは別の意味で友達だけど)にしないだろう。きっともっと寂しくなる気がする。

無人島に漂着した主人公。
日々、砂浜の上に思いついた俳句を書いて過ごしている。しかし、結局、誰にも見つけられずに、そのまま死んでしまう。
その直後、たまたま残った一句を、ずっと行方を捜していた恋人が見つける。それは、世にもすばらしい出来の俳句だった。しかし、その句もすぐに波に洗われて消えていく。そんな映画を作ると思う。
たぶん、ヒットしないだろうな。

人を待つ その目は熱し つゆしぐれ 

仲村比呂
小説家
主に小さい子から読める物語を作っています。文学は最強です。

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