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秋の日(詩)

さびしい秋の光を 感じていると
堕落してもいいかと 思えてしまう
すすきの穂のように 風に吹かれるがまま
おののいたまま 秋に負けるよりも
 
すずしげな秋の風を 感じていると
壊れてもいいかと 思えてしまう
くずのつるのように 雨に打たれるがまま
しぶとくねばって 秋に勝とうとするよりも

寄る辺なき秋の空気を 感じていると
誰かに すがりたくなってしまう
金木犀の香りのように 石の塀を越えるがまま
恥じらったまま 秋に引き分けるよりも

勝負の秋がきた
勝っても負けても
また冬が来る 

仲村比呂
小説家
主に小さい子から読める物語を作っています。文学は最強です。

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